還らざる声

Music:Cororo
Vocal & Lyrics:秣本 瑳羅
Guitar:すのうまん

足を折り畳んで蹲る時間の渦の底
一人置き去られた 砂の成す深海

薄暈けた意識で歩いては縺れて埋もれる
空箱の貴方は流され何処へ行く

無機質な面影は過ぎ去りし日々を全て忘れ
何を宿し何を背負い何に思い馳せる

頬に手を翳し指を伝わる冷たさは[永遠の檻]
二度と還らない君の声にただ何度も
呼びかけてる

蔦の葉を絡めて閉ざされた小さな繭の中
絶え間なく揺られて剥がれゆく魂

消えかけた意識は深海に散らばる硝子玉
最後の一粒が行先を望んだ

終を告げる報せは黄昏を運ぶ荷馬車の影
空を纏い丘を越えて夜に抱かれ眠る

闇に手を伸ばしやっと手に入れた僅かな[月明り]
ただ一度だけ届いた君の声がまだ呼び続けてる

彷徨う舟を乗せた海は朝を鎮めて昏く染まる

語り継がう言葉は海原をなぞる風の調べ
波に巻かれ夜を抜けて鳥とともに廻る

頬に手が触れて指から伝う温もりは[永遠の夢]
ただ一度だけ届いた君の声はただ響き続ける

闇に手を伸ばすだけど掴めない僅かな[月明り]
二度と還らない君の声がまだ何処かで
呼び続ける


Comments
この曲を書いている時に、頭に浮かんで離れないイメージがあったのです。
馬と荷馬車と夕暮れ。作詞段階のやりとりで、さらちーにも同じイメージが浮かんだそうでキャッキャウフフしたのを覚えています^^
こういう曲がいい!って教えてもらった曲も、共通して好きな曲だったおかげでテンションが上がり、気付いた時にはメロが大変な事になってしまったのですが、
今回も難しい曲をしっかり歌って頂けてもう頭が上がりません!
物悲しくも美しい歌詞は本当に印象的です。

by Cororo


安定と信頼のCororoサウンド2発目?いやこっちは今作書き下ろしなので1発目?です。Cororoにはちょっと前からこういう系の曲やってやってと駄々っ子のようにお願いしていたような気がします。今回やっと念願かなったわけですが…やっぱり!!絶対キレイなの作ってくれるって信じてた!!ありがとう!!!
欲張りな私には大変うれしいがっつりボリュームのバックコーラスで、1曲で2曲分くらい楽しい思いをさせていただきました。残念ながら造語の歌詞は載せておりませんが、気になる!という方にはコッソリもしくはみんなが忘れたころにブログかなにかで唐突に紹介できたらいいなと思っています。
作詞のテーマは「走馬灯」です。私はちょうど3年前に母を病で亡くしましたが、それからというもの「生と死の狭間にいるときっていったいどんななん?」っていうのがずっと気になっていて、それを妄想しながら全部精神世界の中で完結させようとしたんだけどよく考えたら狭間にいるわけだからたまに現実がちらついててもおかしくないよね。っていう妙にリアルな試行錯誤を繰り返して完成しました。
妄想がリアルなだけにたぶん今アルバムのなかで一番時間かかったし一番苦労しました。表現が物語のようにわかりやすくなってしまっては面白くないというひねくれたこだわりのせいで、「わけもわからずこんなトコでこんなものが見えてる状況だよ~」というのを書き連ねるだけにしました。こ、このひねくれものー><
だって正解は私にもわからないしそれなのにあんまり決めつけたことは書けないし…(うじうじ
でも、自分が体験したことないものって想像すればするほど興味がわいてきますよね。人って本当に不思議。正解は母が知っていますが、聞きに行けるころには私ももう知っているはずです。

by 秣本 瑳羅

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